日曜の昼下がり、熊本市に住むイケメン(夢の中では)青年は、
熊本市黒潮市場龍田店に買い物に訪れた。
店内に入って真っ先に行う事は、買い物カゴを取る事ではなく、チラシを取る事だ。
「えっと、今日の割引情報はとっ……」
今日の割引情報をチェックする不細工なゴミ青年。
するとっ!?
「かっ、かっ、かっ、かっぱえびせんが69円だとっ!?」
青年は驚いた。食べ始めたら、やめられない止まらないあのかっぱえびせんが、69円だったのだ。
マヨネーズとカラシを付けたら、もっ最高(著作:クッキングパパ)なのだ。
この日本が誇るお菓子がここまで割引されているのを、始めて見たのだ。
(うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお)
慌てて、お菓子コーナーに向かう頭がおかしい蛆虫青年。
だがっ……、
「なっ!?」
かっぴえびせん、99円と書かれていた。
(なんていうトラップだっ……焦るな、焦るな。落ち着け)
一瞬、朝のタイムサービスかとも思ったが、どうも違うみたいだ。
黒潮(白潮市場はないです)市場では、毎日午前9時30分と午後4時にタイムサービスが行われるのだが、
チラシのタイムサービスコーナーにかっぱえびせんの割引情報は掲載されていない。
つまり、今日の開店から閉店までは、驚きの、シックスナインの、69円が保証されているはずなのだ。
店員に声をかけようかと悩む青年だったのだが、たったの30円で声をかけるのは、彼の下半身と身長ぐらいに小さいような気がして躊躇ってるのだ。
(……)
(…………いや、これは、値段の問題じゃないんだ!!)自分に言い聞かせる青年。
(うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお)
しばしの沈黙の後、意を決した青年。
「あのう」
ババアっ……年配の可愛い女店員に声をかける青年。
「はいっ?」面倒臭そうに答えるババア店員。
「かっぴえびせんがチラシには69円って書かれてたんですが、店内では99円って……」恐る恐る伝える青年。
「もっ、申し訳ありません。間違いでした」慌てて修正に向かっている店員。
(ふふふふふふふふふ。ははははははは。勝った、俺は勝ったんだ)
誰に、何に勝ったんだよ。