「もうやだ、耐えられない、家出する!!」
ヒロシはそう叫び、家から飛び出して行った。
「ヒロイぃいいぃぃっ!!」母親は泣きながら愛する息子の名を叫ぶ。
「ほっとけ。男はいつか旅立つものさ」父親が素っ気無くそう言う。
「でも、お父さん・・・」と母親は父親の袖を掴むが、父親は上を向いた。
「雨が、ふって来たな・・・」ポツリとそう述べる父親。
「何言ってるんですか? 雨なんて降ってませんよ」
「いや、雨だよ・・・」
「お父さん!? はい・・・」父親の真意を察し、雨に打たれる母親。そして父親は何かの準備をしている。
家を飛び出したはいいが行くあてが無いヒロシは、ゲームセンターに入って佇んでいた。
「おいお前、ちょっと来いよ・・・」不良に声をかけられ、強制的にトイレへ連れて行かれてしまった。
それを見ていたのは、ここ下北沢では圧倒的な存在感を放つ、『路上のカリスマ』とまで呼ばれた男だった。
「やれやれ・・・」と呟き、トイレに向かう路上のカリスマ。気まぐれで助けようとしたのだ。
トイレに入ると、誰もいなかった、気配も感じない。
「何故だ?」と不審に思うと路上のカリスマ。
それもそのはずであった、ヒロシと不良は異世界に償還されてしまったのだ。
そして舞台は異世界、『バイストン・ウェル』へと移る。
「なんだここは!?」混乱するヒロシ。
「おい不良・・・」と共に償還されてしまった不良に声をかけるが、ショック死していた。
「気弱だなぁ」と呆れていると、長髪の中年が現れた。
「どうも」
「なんだお前は!?」
「これからみなさんに殺し合いをしてもらいます」あっけらかんとそう述べる中年。
「どういう事だ!?」
「42人償還したんですよ、殺し合いをして貰うためにね。一人死んでよかったですね」
残り:41人
「ふざけるなぁぁぁぁあああぁぁぁぁぁぁぁあ!」ぶち切れたヒロシは、中年をボコボコにする。
「うぎゃああああああ」中年は死んだ。
残り:40人
「こいつも参加者だったのかよ!?」驚くヒロシ。
そして、少年隊の東山紀之、錦織一清、植草克秀、SMAPの中居正広、木村拓哉、草なぎ剛、香取慎吾、もう一人の目立たない人、TOKIOの城島茂、長瀬智也、山口達也、国分太一、松岡昌宏、V6の坂本昌行、長野博、井ノ原快彦、岡田准一、森田剛、三宅健、KinKiKidsの堂本光一、堂本剛、嵐の大野智、相葉雅紀、櫻井翔、二宮和也、松本潤、滝沢秀明、今井翼、NEWSの山下智久、小山慶一郎、増田貴久、加藤成亮、手越祐也、関ジャニ∞の錦戸亮、横山裕、渋谷すばる、村上信五、丸山隆平、安田章大、大倉忠義をぶち殺すヒロシ。
残り:1人
「ヒロシ・・・強くなった」と、父親が現れる。
「父さんっ!?」思いもよらない最後の一人の登場に驚きを隠せないヒロシ。
「さあ、俺を殺すんだ!!」
「出来ないよ・・・子供が親を殺すなんて・・・しちゃいけないよ!!」
「お前が家を出た理由を思い出せ! お前のシュークリームを食ったのは、俺だっ!!」
「なんだってぇ! 許せない・・・」ヒロシはぶち切れ、泣きながら父親を殺した。
しかし全ては夢だった。
「なんだ夢か」と、自室から出て居間に向かうヒロシ。
「父さん」
「ん?」
「シュークリーム、食べる?」
YouTube - エレファントカシマシ - 風に吹かれて
http://www.youtube.com/watch?v=TjgFJAm-Bno・主題歌:風に吹かれて 歌:エレファントカシマシ 作詞、作曲:B.Dylan 日本語詞:忌野清志郎
どれだけ遠くまで歩けば大人になれるの・・・?
どれだけ金を払えば満足できるの・・・?
どれだけミサイルが飛んだら戦争が終わるの・・・?
その答えは風の中さ、風が知ってるだけさ・・・。