
3月3日、某楽屋。
人気男性アイドルグループ、『関ジャニ∞(エイト)』のメンバー、村上信五は悩んでいた。
彼のあだ名は『ヒナ』というのだ。
雛形あきこに似ていた事からこう付けられ、定着している。
横山裕「よう、ヒナ。今日はお前の祭りの日だな」
錦戸亮「よう、ヒナ。今日はお前の祭りの日だな」
大倉忠義「よう、ヒナ。今日はお前の祭りの日だな」
丸山隆平「よう、ヒナ。今日はお前の祭りの日だな」
安田章大「よう、ヒナ。今日はお前の祭りの日だな」
渋谷すばる「よう、ヒナ。今日はお前の祭りの日だな」
内博貴「よう、ヒナ。今日はお前の祭りの日だな」
内場勝則「よう、ヒナ。今日はお前の祭りの日だな」
一人か二人変な奴が紛れ込んでたような気もするが、まあそれはどうでもいい。
毎年この時期になると、メンバー達から「ヒナ祭り」と茶化されるのだ。
最初のうちはネタにして楽しんでいたのだが、いい加減うざったく感じていた。
「はあっ・・・」
ヒナ、こと村上信五は川原で一人、佇んでいた。
「よう」男性数人が馴れ馴れしく声をかけてくる。
「誰やっ!?」
元SMAPの、森且行。元ジャニーズJrの、小原裕貴、穴沢真啓、秋山純、田中であった。
「お前等!?」驚くヒナ、こと村上信五。
「復讐するか?」と聞いてくる4人。
「おうっ!!」迷わず速答するヒナ、こと村上信五。
悲しみを乗り越えた、最強の部隊が結成されたのだった。
お台場フジテレビ。
『新堂本兄弟』が収録されていた。
堂本光一と堂本剛は、相変わらずやる気の無い態度で収録していた。
「ははははははは」と近付いて来る、ヒナ、こと村上信五軍団。
「おう、ヒナやん。どないしたん?」不思議に思い尋ねる、KinKiKids(堂本兄弟)。
他の4人と田中の事はスルーしている。
「死ねえぇぇぇぇぇぃっ! ヒナって呼ぶなあっ・・・!!」
怒り狂い、皆殺しにするヒナと頼もしい仲間。
堂本剛&堂本光一&えなりかずき&深田恭子&浅倉大介&HALCALI&きくち伸&Gackt&ブラザー・トム&武田真治&加藤いづみ&高見沢俊彦「うぎゃああぁぁっっ・・・!!」
一人か二人、変な奴が紛れ込んでたような気もするが、まあ全員死んだ。
「はははははは」と高笑いし、続いて『SMAP×SMAP』の収録現場へと向かう、ヒナ、こと村上信五軍団。
「死ねえぇぇぇいいいぃぃっ!!」
ヒナ、こと村上信五軍団の森且行が率先して皆殺しにかかる。
中居正広&木村拓哉&香取慎吾&草なぎ剛&田中「うぎゃああっ・・・!!」
と断末魔をあげ、国民的アイドルグループは死んだ。
「スマップは5人でスマップなのに、俺を無視して4人で活動してるからこうなるんだよ!!」
と叫ぶ、森且行。
「せっ、先輩・・・」ヒナ、こと村上信五が恐る恐る森且行に声をかける。
「あっ?」
「田中まで、殺しちゃいましたね?」
「あっ!?」勢いあまって、仲間の田中まで殺した事に気付く森且行。
「責任取って、俺はレースに戻るぜっ!!」と豪語する森且行。
「先輩・・・。はい。俺も、ヒナ祭り程度で目くじら立てる小さい男にならない努力をしますっ! 田中の死を無駄にはしません!!」と決意表明するヒナ、こと村上信五。
「グスン・・・」と感涙している小原裕貴、穴沢真啓、秋山純、中村。
・・・。
「はっ!? 夢か・・・」全ては、村上信五が見た夢であった。楽屋で寝てしまったようだ。
大倉忠義「信五、雛あられ食うか?」
横山裕「信五、おにぎし食うか?」
錦戸亮「信五、雛あられ食うか?」
丸山隆平「信五、雛あられ食うか?」
安田章大「信五、雛あられ食うか」
渋谷すばる「信五、雛あられ食うか?」
と、アラレを差し出して来るメンバー達。
「みんな・・・」
関ジャニ∞でよかった。こんなに素晴らしい仲間達がいるんだから・・・。
と心の底から思う、村上信五であった。
「 小さい時の僕って、『オニギリ』って言葉もロクに言えなかったよね・・・。
いつもいつも、オニギシって言ってた・・・。
オニギシが食べたいよ。オニギシしか駄目なんだよ・・・。
お母ちゃん、ちょっとしょっぱいオニギシを作ってよ・・・ 」
お母ちゃん「裏切られた自分を悔やむなら、信じた自分を褒めなさい」