
この年で4回目の祝日の、昼下がり。
熊本県熊本市に住む、4月6日に待望のニューシングル『縁を結いて(えにをゆいて)』をリリースする、
堂本剛の10年前の時ぐらいにイケメンだが今ひとつパッとしない青年は、
「今日は春分の日だから、お墓参り行かないと駄目だな」
と、お墓参りに向かった。
すると、墓地では先日卒業した男子中学生数人から、お礼参りと称して教師がボコボコにされていた。
「どうも」と挨拶する青年。
「あっ、どうも」素直に挨拶を返して来る中学生達。
「最近の若者は・・・なんて言うけど、ちゃんと挨拶出来るんじゃねえか」
と思いながら、自分の家系の墓に向かう青年。
すると、さっきの中学生達が駆け寄って来る。
「どうした? 俺は金八先生じゃないし、ここは荒川の土手じゃ無いぞ」
50年前の報道機関のように、冷静に真実を伝える青年。
「あの、僕達はお礼参り」
「あっ、うん?」
「アナタは、お墓参り」
「あっ、うん?」
「・・・」
「・・・」
気まずい空気が流れる。
「自身に自信が無いんですけど、どうしたらいいですか?」
男子中学生の1人が、気まずい空気を断ち切るかのように悩みを発露する。
「揺るぎ無い意志を持つんだ」と、人生の先輩として助言する青年。
「はいっ!!」
「まあでも、揺るぎ無い意志を持って自身に自信を持って毅然として生きても、
大地震で自然が揺らいじゃったら、死ぬ時は死ぬけどね。人間」
翌朝。
「さーて、三連休も終わった。今日も一日頑張るかあ」と、アパートの一室で新聞を開く田中。
春分の日ならぬ、新聞の日だ。プププ。
真っ先に目に入ったのは、『墓地に教師と青年の死体が放置』という事件だった。
「ふう。世の中はどうなってるんだろうな・・・」と嘆く田中。