YouTube - 水たまり
http://www.youtube.com/watch?v=wTLFkr-qtbU●主題歌:NIPPON(ニッポン) 作詞、作曲、唄(うた):堂本剛紫
「 ぶらりドレミファソって、夜空に浮いてる赤い月
ふわりソラシドレって、地面に溜まる水の溜まり
綺麗だな 美しいです これからも沢山の素晴しい勇気を分けてくれ
NIPPON(にっぽん)っ・・・!! 」
「マリさん、結婚してくれ!! 幸せになる自信もあるし幸せにする自身の能力がある自信もあるし地震があっても君を守る自信もある」
ロマンチックなムードが漂う夜の、とあるレストランの店内。
手作りの果汁100%オレンジジュースを作る時にミカンを振り絞るばりに勇気を振り絞り、
佐藤マリに求婚している水田タケシ。
「ごめんなさい、タケシさん・・・。私、貴方とは結婚出来ない!!」
「どうしてだい・・・?」
かれこれ10年間は愛を育み、いい加減申し込んでもいいと思ったのに、予想外の返事に戸惑うタケシ。
「だって貴方の名前、水田タケシでしょ! 私は、佐藤マリなのよ・・・」
「それがどうしたんだい?」
「結婚したら、水田マリ、になっちゃうじゃない!? そんなの嫌よ・・・絶対ネタにされるわ!!」
「マリさん・・・」
それは、生涯乗り越えるべきどんな障害よりも切実な問題だった。
生涯(しょうがい)と障害(しょうがい)をかけたのか。ぷぷぷ。つまんねえよ。
それから水田タケシは仕事を休み、連日図書館に入り浸り、氏名に関する本を読み漁っていた。
図書館はホームレスの居場所でもあるので、くっせえ臭い。ルーツもいた。だっせぇ帽子。
その日水田タケシは、『戸籍法107条1項』が書かれた本を読んでいた。
「 やむを得ない事由によって氏を変更しようとする時は、戸籍の筆頭に記載した者及びその配偶者は、
家庭裁判所の許可を得て、その旨を届け出なければならない 」
「 当人にとって社会生活上氏を変更しなければならない真に止むを得ない事情があると共にその事情が社会的客観的にみても是認せられるものでなければならない場合 」
故に、こんな記述を発見した。
「これだあぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁ!!!!」シロー・アマダばりに叫ぶ水田タケシ。
「図書館で騒ぐのは許しまへんでっ!!」図書館のオバちゃんに注意された。
「すっ、すいません」
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キムタク「誰も見なくても、絶賛公開中なんだな」
山P「困ったもんですね」
二宮和也「・・・」
劇場版宇宙戦艦ヤマト、劇場版あしたのジョー、劇場版GANTZ(ガンツ)、絶賛公開中!!!
子供「ママー、なんで動員人数増やすためにタダ券配りまくってるの?」
ママ「触れちゃダメよ、マーくん」
「結婚しても、名字を変えられるなら大丈夫だ」嬉々としてひとりごちる、水田タケシ。
氏名が『水田マリ』になってしまうのは誰が見ても『やむを得ない事由』なので、確実に届け出は受理されるだろう。
「マリさん!!」と、マリの家を訪れ事情を説明すると、
「ごめんなさい、タケシさん・・・。実は私、別の人が好きなの。その人と結婚するの」
氏名が『水たまり』になってしまうから嫌なんてのは当然断るための口実だったのだが、
水田タケシはバカなのでそれに気付かなかった。こんなバカとは結婚したくなかったのだ。
「酷いよマリさん・・・。で、その相手の氏名はなんていうんだい?」
嗚咽を漏らし泣きながら佐藤マリに尋ねる、水田タケシ。
「堀ケンジ、だけど」
「ホリマリ!?」