「はぁっ……」
2012年3月7日水曜日。熊本県熊本市。
ここに住むゴミカスな、ゴミカスな青年は憂鬱な日々を過ごしていた。
ある日、郵便ポストを確認すると、最寄のスーパーのセール情報の封筒が入っていた。
普段ならロクに見もせず捨てるのだが、何故か気まぐれで見入った。
ゆめタウンサンピアンにて明日、この封筒を持参した先着1000名が無料でくじ引きが出来るらしい。
A賞がゆめタウンの500円商品券200名、B賞がミニスナック菓子800名との事だ。
「マジかよ。500円商品券が当たったら凄く嬉しいよなあ」
棒読みで喜びの言葉を挙げる青年。
その日の夜は、翌日のくじ引きが楽しみ過ぎて眠れなかった。
「寝れない。死にたい。寝れない。寝るのが怖い……。死にたい……」
のではなく、ウツ病なので眠れなかった模様(どんな偏見だよwww)。
2012年3月8日木曜日、朝。
毎晩彼の部屋に絶え間無く流れている堂本剛の音楽(言葉)をつけっ放しで出かける彼(節電しろよ)。
案の定、凄い乞食の行列が出来ていた。
(乞食どもが……)と蔑みの目を向ける青年(乞食)。
すると、子供が泣いていた。タマネギも切っていないのに、泣いていた。
「えーん。えーん……封筒なくしちゃったよお……」
どうやら、持参したらくじ引きがひける封筒を紛失してしまったらしい。
(なんて可哀想な子なんだ……)と、同情心に苛まされる乞食(青年)。
(……)乞食たちが、次々とクジを引いている。
中には数名、ちゃんと500円商品券を当てている者も目視出来た。
フジテレビ○の視聴者プレゼントみたいに、あげない詐欺では無いようだ。
「では次の方ぁあ」
「あっ、はい」
待ち続け、やっと自分の番が回って来たので、嬉々としてクジを引く青年。