2010年12月発売のKinKiKids(キンキキッズ)30枚目のニューシングル、Family~ひとつになること(作詞:堂本剛。作曲:堂本光一)、 が発売された年から数十年後。
暴力的、性的な表現は規制されてしまった。
「サトシ! 大変よ」サトシの部屋に入る早々、彼女のカスミが泣いている。
「カスミ、どうしたんだ?」
「タケシから、レ・・・れから始まる三文字の事をされちゃったの! ショック! 悲しい」
「なんだって!? カスミが、レから始まる三文字の事をされちゃったのか!?」
俺は衝撃の事実を聞かされ怒り狂い、カスミをレイプした奴等のアジトへと、単身殴り込む!
三人称からいきなり一人称になった。
これも規制の弊害だ。決して、作者の力量不足なんかじゃ無い。
「おい! てめえら!!」
アジトに入ると同時に、仮面ライダー龍騎のOP主題歌『AliveAlife』を歌ってた人みたいな声で告げるサトシ。
「なんだ?」余裕満々な態度で、タケシが聞いて来る。アジトにはタケシしかいなかった。
「俺の彼女に、レ・・・から始まる三文字の事しやがったな?」
「おう。レから始まる三文字の事しちゃったけど・・・それで?」
「許さん!」と掴み掛かるサトシ。
「暴力か?」
「暴力は規制されてるだろうが!」 冷静に説明するサトシ。
「そうだった。じゃあどうするんだ?」
「これを受け取ってくれ」と、饅頭(黒餡)を差し出す。
「なんだこれは?」
「美味しいぜ。ほっぺたが落ちるぜ?」
「ゴクリ。ムシャムシャ。うめえええ!!」ほっぺたが落ちた。
「ははは! 引っかかったな!! 本当にほっぺたが落ちてやんの!!!!」
ほっぺたが落ちる描写は、規制対象外だった。
「クソ・・・。殺せ!!」敗北を認め、止めを刺すよう申し出るタケシ。
「俺達は拳で語り合ったんだから、仲間だ」と手を差し伸べるサトシ。
「同情か・・・」
「勝者が敗者の命を奪う権利があるなら、助ける権利もあるんだろ!?」
「サトシ・・・」
タケシは改心し、製薬会社で働く事を決意した。
その一部始終を黙って外から見物していたカスミが駆け寄ってくる。
「サトシ、ありがとう。私のために。嬉しかった!!」
と、サトシに抱きつくカスミ。
今すぐカスミにチューがしたくなったサトシ。
だが、接吻は性的な表現なので規制対象だ。悩むサトシ。どうする?どうやって規制をかいくぐる?
おや、サトシのようすが・・・。
「カスミ、俺・・・。カスミを、キから始まる二文字の事したい!!」
流石はこの界隈ではオナニーマスターで有名なサトシだ!巧みに表現し、規制を突破した。
だが緊張のあまり噛んでしまい、「と」と「を」を間違えてしまった。
「えっ!? いいよ・・・。サトシになら、」
快諾してくれるカスミ。
「本当? 嬉しいよカスミ」
「はい、サトシ・・・」と、カインとアベルとオグマが最初から装備してる鉄の剣を床に置く。
「なんだいこれは!?」事態が把握出来ず驚くサトシ。
「私を、切りたいんでしょ!? 早く切ってよ・・・。サトシになら切られてもいいわよ!」
「えっ!?」
どうやら、「キから始まる二文字の事」を「キス」では無く「切る」だと判断してしまったようだ。
そしてサトシが噛んでしまった発声も含めて、合致してしまったのだ。
これも全ては、規制の所為だ!!
今のカスミは、ナバールに対し「その剣で私を好きにして・・・」と言ったシーダ姫ばりなのだ。
「うわああああああぁぁぁああぁぁ・・・!!」
悲しみを乗り越え、カスミを一刀両断するサトシ。
「サト・・・しっ、愛してる・・・!!」と断末魔をあげ、カスミは死んだ。
表現の規制が、二人の愛までも規制してしまったのだ。
「カスミ・・・。うう、カスミ・・・」
と泣きながら、カスミを焼肉にするサトシ。
「うめえ。ウメエ」
泣きながら、島根女子大生殺人後、解体し肉を食べたと思われる犯人ばりにカスミを食べるサトシ。
意気消沈しているサトシの所に、ペットのピカチュウがやって来る。
「ピカピぃ・・・」とサトシを慰めるが、
「うるせえ! 今更来てるんじゃねえよっ!! 死ねえぇぇぇ・・・!!!」
と、血だらけの鉄の剣でぶった切るサトシ。
「うぎゃあああああああああああ!!」ピカチュウは、くたばった。
すごいキズぐすりを遠くに放り投げるサトシ。
そして、カスミとピカチュウのミックスハンバーガーを貪るように食すサトシ。
美味!OH!MYコンブー!!スーパーくいしん坊・・・うんめええぇぇえぇぇっ!!!!
――だけど僕は悲しまない
何故かって?
僕の中に・・・、
カスミは生きているからさ!!
読者「グスン・・・」
読者は涙で続きの文章が読めなくなった。
そしてこの感動実話物語は書籍化され、全国書店に並んだ。
帯:これ程の純愛がいまだかつてあったか?
ビートたけし絶賛。
「こんな小説にまじになっちゃってどうするの」
しかし、並んだだけであった。
返品の山、返品の山、返品の山、返品の山、きのこの山・たけのこの里、返品の山、返品の山・・・。
「死のう・・・」
サトシはショックで自殺した。
なので、サトシの中にいるカスミも死んだ。
だがそれ以前に、サトシはウンコしてしまったので、カスミは既にサトシの中にはいなかった・・・。
読者「くだらねえ・・・」