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2月3日、節分。恵方巻き
2010年12月1日にリリースされた、KinKiKids(キンキキッズ)30枚目のニューシングルにして最高傑作の、Family～ひとつになること(作詞：堂本剛。作曲：堂本光一)の発売年では無い年の、2月3日。
とある地域のとある体育館。
社会人バスケチームが、今度の試合のためにポジション分けをしようとしていた。
「よし、集まったな・・・！？」監督が選手達に声をかける。
「はい！！」一斉に返事をする選手達。
「今日は以前から言ってた通り、ポジションを発表するぞ」
選手の返事を待たずして、続いて監督が口を開く。
「ポイントガード・・・植草トモユキっ！」
「シューティングガード・・・鬼瓦ゴンゾウっ！」
「スモールフォワード・・・仙道アキラっ！」
「パワーフォワード・・・池上リョウジっ！」
「センター・・・福田ヘイハチっ！」
監督により、歯切れよくポジションは発表された。
「はいっ！！」嬉しそうに返事をする、選ばれた選手達。
「鬼瓦、外は頼むぞ。福田・・・中はお前にかかってるからな！？」
何故かその二人に絞り、声をかける監督。
バスケ用語で、『外』とは3ポイントラインの外側を指し、『中』とはその中側を指している。
「わかりましたっ！！」
と同時に返事をする、外を任された鬼瓦ゴンゾウ、中を任された福田ヘイハチ。
「鬼瓦は外。福田は中だっ！！」
何故か思わせぶりなニュアンスで、再度述べる監督。
「はいっ！！」だが、素直に返事をする二人。
「おっ、お前等・・・。今日は何の日だったかな？」恐る恐る訊いている監督。
「えっ、やだなあ監督。監督の誕生会なら、この前やったじゃないですか」
誰かが、苦笑しながら発言した。
「はっ、ははは。そっ、そうだな。あの時はありがとうな・・・」
と、言い終えると同時に自分のカバンの中から恵方巻きを取り出し、美味しそうに食べる監督。
「やだなあ監督、海苔巻きなんて食べて。お腹すいてたんですか？」
「のっ、のっ、のっ、海苔巻きっ・・・！？」
監督は不満そうに尋ねる。
「どうしたんですか監督？」いつもの監督とは明らかに違うので異変を感じ、心配そうに尋ねる部員達。
「もう一度言うぞ？ 鬼瓦は外。福田は中だ・・・」何故か再確認させる監督。
「あっ、はい・・・」キョトンとしながらも答える部員達。
「・・・」
「・・・」
「ちょっ、ちょっと、コーヒー豆買って来てくれ。いつものやつな」
沈黙を断ち切るかのように財布の中から樋口一葉を一枚取り出し、部員の一人に申し付ける監督。
「はいっ！！」元気よく素直に受け取る部員。
だが・・・、
「もうお前等とバスケなんてしねえよっ・・・！！」と叫び、体育館から飛び出していく監督。
「えぇ・・・！？」
鳩が『豆』鉄砲を食らったような間抜けな顔で、疑問符を飛ばしてる部員達。
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