熊本県熊本市、ここに25歳無職童貞の彼は、
ネットで出会って恋に落ちた女性に会いに埼玉まで行ったのだが裏切られ、
人生が終わっていた・・・。
「はぁっ、今日もハローワーク通いか・・・あいつのために頑張らなきゃいけないのに・・・」
別に働くつもりは無いのだが『親へのアピール』として通っていた・・・。
そしてハローワークの帰り道・・・。
なんと、『赤ん坊』が捨てられていた。
「・・・!!??」
そこには置手紙が添えられており・・・、
「優しい方、どうかこの子をよろしくお願いします・・・」と書かれていた・・・。
「嘘だろ・・・」
何故か見てみぬフリ出来ない・・・。
『リアルの嫌な事』を何もかも見て見ぬフリしてる彼だが、
何故かその赤ん坊の事は見て見ぬフリ出来なかった・・・。
「この後、アイツと会う約束してるんだった・・・」
彼はブログをやっている内に出会った、
福岡の女子中学生と付き合っており、今日は会う日であった。
ロリコンでは無いと思う、多分・・・。
とりあえず赤ん坊をどうしようかと思ったが、連れて行くことにした・・・。
事情を話せば解ってくれるだろう・・・と思ったのだった。
「あ、くん・・・遅かったね・・・って・・・」
「!?」
彼が持って来たものはプレゼントでは無く、赤ん坊だった・・・。
「あ、実はこれは・・・」
「誰の子供なのよそれっ・・・!!」
ペチ!ペチ!!ペチ!!!ペチ!!!!ペーチン!!!!ペチン!!!!!!!
そう言い、伝票を叩きつけ泣きながら店から出て行く彼女・・・。
「そんなお約束な・・・話聞けよ・・・」
と言い終える時には、視界に彼女の姿は無かった・・・。
「仕方ない・・・田中と鈴木だ・・・」
こういう時頼りになるのは友達だ・・・。
しかし・・・、
〔何言ってんだお前・・・?〕ガチャ
〔・・・無職のお前と違ってこっちは多忙なんだよ・・・
本当に生まれて来る赤ん坊の為にもな・・・お前の虚言に付き合ってる暇はねえんだよ〕ガチャ
彼にリアルに親友がいるはずは無く、ネット上での腐れ縁の友人二人に泣き付いたのだが、
取り合ってもらえず電話を切られる・・・。
「・・・」
「つか普通に警察だろ・・・」
『結局それ』という感じの結論に辿り着いた。
そして『葛飾区亀有公園前』の交番に向かう彼・・・。
何故熊本からわざわざそんな遠い所に向かおうとしたのか、誰も突っ込んではくれなかったが・・・。
しかしその時だった・・・。
「・・・ぱ・・・ぱ・・・」
赤ん坊はそう言い、彼に抱きついて来た・・・。
「パパ・・・? 俺・・・がっ・・・?」
「なんて純情無垢な顔なんだ・・・
汚れの無い・・・澄んでいる・・・」
今は汚れきっている腐れきっている、
『愛する人へのラヴレター』なんて糞ブログ作ってるゴミも、
それを見てるカス達も、
『ヤフー知恵袋』って糞サイトで質問回答、傍観してるダニどもも・・・、
生まれた時にはこうだったのか・・・と思う彼。
「決めた・・・この子を育てよう・・・」
子供の頃は夢や希望に溢れていたが、何時の間にか腐った自分が、
この子の光で変えられそうだ・・・と何故か思ったのだった。
こうして彼はこの赤ん坊の為に死に物狂いで働いた・・・。
赤ん坊が「ぱぱ」って呼んでくれる度に彼は優しい気持ちになっていた・・・。
母親も「信じられない・・・あの子が・・・」と驚き、喜んでいた。
だが、思い付きで熊本から東京、埼玉まで行ける行動力はあるので、
一度スイッチが入ればそれが良い方向に向かうとは以前から信じていた。
だから、彼から見た、自身でブログ立ち上げても誰からも注目されない、
原田尚美さんのブログに群がってるゴミカス蛆虫のゴミも、
少しだけ変わって来たかの様に思える・・・。
「そうだったんだ・・・」
あの寄生虫たちがゴミクズで、他人の面白さを認めない・・・。
いや『認めないフリ』をしているカスだったのは、
自分がそうだったからなんだ・・・と。
この赤ちゃんのお陰でそんな大事で当たり前の事に気付いた・・・。
そんなある休日の昼下がりの事だった・・・。
「えっ、本当の親が見付かった・・・!?」
警官の中川さんと麗子さんが、
父親と一緒にやって来てそう言って来た・・・。
赤ちゃんの本当の親が見付かってしまったのだ・・・。
「ごめんよ・・・お前を捨ててしまって・・・許してくれ・・・」
そう言って抱きついて来る父親・・・。
「ぱーぱっ・・・!!!」
しかし本当の父親を無視し、彼に泣き付いて来るが・・・、
「ふざけんな・・・お前なんてしらねえよ!!!」
カスどもがブログ『愛する人へのラヴレター』で楽しんだのに、
『楽しんで無い事』にしてたり『面白くないフリ』をしてるみたいに、
カスどもが『愛する人へのラヴレター』や、
そこの主が作る様々な作品を『見なかった事』や『楽しんで無いフリ』してるみたいに、
彼はその赤ん坊の事を『知らないフリ』をした・・・。
こうして、赤ん坊は本当の親元の所に連れ戻された・・・。
そこに寄って来る親友の田中と鈴木・・・。
彼の事が心配で、わざわざ熊本まで会いに来てくれたらしい・・・。
「おい・・・」
「立派だったぞ・・・子供は、親の傍にいるのが一番だからさ・・・」
田中の言葉に鈴木が続き、
「だから・・・もういいのよ・・・泣いても・・・立派だったわ・・・」
母親がハンカチを差し出す。
「ぐっ・・・うあぁっ・・・ぐっ・・・! ひぐぁっあぁ・・・あっ・・・!!」
彼は、嗚咽を漏らして泣き始めた・・・。
・father、エンディングテーマ:城南海 「童神~私の宝物」
天からの恵み・・・
受けてこの地球(ほし)に
生まれたる我が子
祈り込め育て
イラヨーヘイ イラヨーホイ
イラヨー 愛(かな)し思産子(うみなしぐゎ)
泣くなよーや ヘイヨー ヘイヨー
太陽(てぃだ)の光受けて
ゆういりよーや ヘイヨー ヘイヨー
健やかに 育て・・・