「やべ、今日母の日じゃん」
通りすがりのババアに声をかける青年。
「今日は母の日なので、アナタの事を今日だけ母親だと思ってもいいですか?」
「はいはい。構いませんよ」快諾だった。
そして母の日が終わるまで、青年はババアに尽くした。
何時しか、本当の母親だと思うようになってまでなっていた(←言語障害かよ)。
世界ウルルン滞在記ナレーション「別れの時刻」
「母さん、さようなら・・・」
「・・・」
抱擁を交わし、涙の別れを果たす母子。
後日。
ババアが死んだ。
遺産は全て、青年に託すよう遺言状には書かれていたらしい。
「ふざけんな! 俺は、俺は金なんていらねえ・・・。母さん、母さん・・・。ああ・・・」
それを遠くから見物していたのは、田中だった。
「やっと、母親の有り難味に気付いたか・・・。意味わからん」