2011年6月。豪雨と「熊本は大震災の件で援助しないのか?」という他県からの重圧に襲われた熊本県。
いっそ住宅浸水、土砂崩れしまくって数千人単位で死ねば、
東北地方から楽しませて貰った恩をやっと返せたのだが……、神様は不平等だ。
九州住人には永久に、
『東北の人達に不幸見せて貰って楽しませて貰って、その恩を返すチャンス』を与えないとは。
永久に面白さ、楽しさの火事場泥棒のゴミカス鬼畜でいろ……って事だ。
これならいっそ死ぬ方がずっと楽だ。
自分の精液ばりに増水された白川を眺める、自殺志願者の青年。
「今、飛び込めば死ねるのでは?」青年の脳裏にはそんな期待感が過ぎる。
「だけど、怖いなあ……」
白川を携帯カメラに収めてる野次馬の中年がいるので、声をかける青年。
「あの、すいません」
「あっ、はい」
「飛び込んだら死ぬかどうか確かめたいので、飛び込んでくれませんか? 広末涼子の限定テレカあげる」
「あ、いいですよ」
快く承諾してくれる野次馬(広末涼子の大ファン)のデブ。
「とりゃ!!」と掛け声をあげ、飛び込む野次馬のヒロシ。
どうやら『機動戦士ガンダム』は知らないらしい。
知っているなら98%の確率で「アムロ、行きまーす」と叫ぶはずだからだ。
「うわぁぁぁぁぁあああぁぁぁんんん><;;;;;」
物凄い勢いで流される中年(デブ)。浮き輪が標準装備なのに流されるとは、
自然の猛威の前では、人間の力なんてちっぽけである事をまざまざと思い知らされた。
「しまった、死んだかどうかわからないじゃないか!!」重大な事実に気付く青年。
最寄の警察署に駆け込む青年。
「すいません!!」
「どうしました?」
「デブを飛び込ませたんですけど、生死不明なんです!!」
数時間後。取調室。
「いやー、カツ丼は美味しいなあ^^」
青年は、世の中にはこんなに美味しいカツ丼があるなら、もう一度生きてみようと決意した。