「よう親友」
祝日の昼下がり。
唯一の親友が暮らす、アパートの一室に入る青年。
「よう」面倒臭そうに返して来る、親友。
「これを見てくれ」と、先ほど撮影し、プリントアウトした紙を二枚差し出す。
川と、山の写真だった。
「なんだこれは」怪訝として尋ねる、親友。
「今日はなんの日かなー?」ドヤ顔で尋ねる青年。
「祝日だろ」
「そうそう。祝日、祝日」
「……」
「……」
「……」
「……」
「じゃっ、じゃあな」気まずい沈黙を断ち切るかのように、立ち去ろうとする青年。
「ああ。じゃあな」
「じゃあな」
「ああ。じゃあな」
青年は立ち去った。
山の日、川の日。