シルバニアファミリー達は、騒然としていた。それもそのはずだ。
シルバニアファミリーの長、島田かんすけが、引退してしまったのだ……。
●シルバニアファミリー
原作:小説「僕等の明日」より
監督:富野由悠季
脚本:岡田惠和
CAST(キャスト)
トム……保志総一朗
田中…… 川澄綾子
ロイ・マスタング少尉……島田紳助
謎のイケメン……子安武人(友情出演)
島田かんすけ……大塚芳忠
「次の長を決めるしかないよ……」沈黙を断ち切るかのように、田中がそう言う。
「お前がやれよ、トム」と、謎のイケメン。
「そんな……無理だよ、僕なんかじゃっ……」畏縮するトム。
「トム、無理だって決めると、出来る事も無理って事になっちまうぜ?」
意味がよくわからないが、謎のイケメンはなんだかいいことを言った。
「イケメンさん……でも、僕、タクシードライバーになりたいんだっ!!」と豪語する、トム。
「なんですって!?」驚く田中。この森の掟では、タクシードライバーになる事が禁止されているのだ。
「この森から出て行く覚悟はあるのか?」と尋ねる、謎のイケメン。
「うん。もう決めたんだ! 僕はもう、親の言いなりにはなりたくないんだ!! 医者なんてごめんだ」
ダッ。家の外へ走って行く、トム。
「トムっ……」泣き崩れる、田中。
「お前、トムの事が好きだったんだろ?」さり気無くポケットからハンカチを落とす、謎のイケメン。
「うん……。うんっ……」
「一度きりの人生、一度きりの追いかける事をしなくてどうすんだっ!?」
「イケメンさんっ……!? 私……。私……」
「 離れていたって、誰かが引退したって、ファミリーはファミリーだ…… 絆は永遠だ 」
誰かが、そうつぶやいた。