2011年、10月28日(木曜日)。
予言によると、人類が滅亡する日、らしい。
「なんて事だ。思い残す事の無いように過ごさねば……」と決意する、熊本県熊本市に住むイケメン青年。
「セブンイレブンで、290円のプリン買ってやる。どうせ世界は終わるんだ……」
「ゲームセンターで、一回200円のクレーンゲームをしてやる……。どうせ世界は終わるんだ」
「意味もないけど、860円も払って熊本県八代市に行ってやるぜ。世界は終わるしな」
「リストカットしてブログに晒すという、天才にしか出来ない所業をしてやる。世界は終わるんだしな」
「ヒトミに、『好きだ。愛してる』ってメール送って思いを打ち明けてやるぜ……世界は終わるんだしな」
「ふう、もう思い残す事はない……。世界が滅亡しても、悔いはない」
2011年、10月29日(金曜日)。
「終わってねえじゃねえか……。どうすんだよ」
ピピ。今になって、返信が来た。
●送信者:ヒトミ
「 死ね キモイ 」
俺の世界は、滅亡した。
「畜生! 自殺してやる」樹海に向かう俺。
「うぐっ」途中、街中で通り魔に刺された。
「すっ、すいません……。救急車を……」と人々に呼びかけるが、みんな素通りして行く。
「ちょっ、まっ、終わる……。俺の世界が、終わる……てか、誰も助けてくれない世界……か。なるほど……。『人類の心』が滅亡していたのか……」
と意味不明な事を言い残し、死去した