8月初頭。広島県広島市、広島町。広島公民館。
『広島原爆を広げるの会』が、来る8月6日のために、会議を行っていた。
「皆さんも知っての通り、広島原爆は1945年8月6日の午前10時15分に投下されました……」
会長(ポケモンジムリーダー)が声を上げると、静かに目を瞑る会員たち。
「あの悲劇を忘れないために、広げるためのアイディアを募集します」
それぞれの顔を見ながら、そう告げる会長。
「ネットで『広島原爆投下は午前8時15分』とか『広島原爆投下は午前10時15分』とかって間違った情報を広めまくるなんてどうですか?」 挙手と同時に会員の一人が言う。
「どういう事ですか?」
「そうする事で、それを見た子供たちが自主的に図書館に行って調べたり、あるいは祖父等に尋ねる事態に発展出来ないでしょうか?」得意気に続ける、会員。
「いいアイデアですね。ネットの情報を鵜呑みにするガキ全盛の時代では有効なのかも知れません」
会長含め、本当は何時だっけ?とは聞けずにいた。
ネットで調べればすぐにわかるのだろうが……。
ネットで調べて今知った情報を、あたかも『前から知ってたこと』にするなんて振る舞いは、
人間が出来る所業では無いので、誇りが許さなかった。
そもそも、原爆と原発はどう違うのか、今の日本人では誰一人『自分の言葉』で説明出来なかった。
すると、広島原爆の被爆者が現れた。燃えていた。夏の二次元美少女に、萌えていた。
「熱ぅっ……! 熱うぅぅっ……!!」皮膚がめくれ、人の姿をしていない気味悪い風貌で叫ぶ。
「被曝した人間に近付くと、被曝するぞおぉっ! 逃げろおぉっ!!」
会長が叫ぶとともに、一斉に逃亡する『広島原爆を広げるの会』の会員たち。
それよりも真っ先に逃亡していたのが、菅直人だった。
「あんた、原爆死没者慰霊式で挨拶するんじゃなかったんかい!?」
そんな町に、ポケモンマスターが辿り着いた。
サトシ「やっと着いたな、ピカチュウ」
ピカチュウ「ピカー」
ドンっ!!人とぶつかってしまった。
人「あっ、すいません……」
サトシ「いえいえ、こちらそ」
ピカチュウ「ピカー」
ドンっ!!!人とぶつかってしまった。
人「あっ、すいません……」
サトシ「いえいえ、こちらそ」
ピカチュウ「ピカー」
ドンっ!!!!人とぶつかってしまった。
そして8月7日、午後1時15分。
「では、時間が訪れたので、黙祷……」
広島に原爆が訪れた本当の日、時刻に黙祷を捧げる広島民たちであった。
●主題歌:LetsGetFUNKASY!!!(堂本剛が広島原爆投下の日に発表した鎮魂歌) 歌、作詞、作曲:堂本剛
声出して「愛してる」って、いま時代(とき)へといえるか…?
嘘吹いて傷んでたらご先祖様も難儀(哀れ)でしょ…?
本当の詩(うた)を音読朗読 美に生きて美に死のう
「トランスフォーム」リアル(真実)を掲げて君を愛したいんです…
「トランスフォーム」リアル(本当)引っさげてフェイク(嘘)をぶっ壊したいんだっ…!
「トランスフォーム」リアル(本気)を掲げて君を愛したいんです…
「トランスフォーム」リアル(本物)引っさげてフェイク(偽者)をぶっ壊したいんだっ…!!
魂を持って叫べっ…!! 遅れるんじゃねぇぞBabyっ…!!!
3000年に向かって 愛 NARA FUN9っ…!!!!
最愛の君ら抱いて 一度きりの全てで 未知な未来へ跳ぼうかっ!?